俺が高校卒業後、社会人として初めて勤めた会社は、茅ヶ崎にあるビクトリーウェットスーツ。
右も左も分からない小僧だったが、初めて社会に出たのがこの会社。
雑誌で見た世界がここにあった。
ビクトリーは世界的に有名なサーファーをサポートしていた。
有名なサーファーのスーツが普通に流れてくる。
小僧の自分としては刺激的な職場だった。
デリックホー・マイケルホー・ハンスヒデマン・キムメアリック。
早々たるメンバー。
当時は日本で世界大会(丸井)があったので、彼らを迎えに成田空港、その後は茅ヶ崎のビクトリーに送迎していた。
自分はファクトリーの人間だったので、彼らの到着を工場で待っていた。
工場に着くと彼らは工場を見学。
珍しいウェットスーツ工場を隅から隅まで見学していた。
小僧の自分はドキドキしながら彼らを見ていた。
当時のウェットスーツはバックジップが支流でそれしか無かった。
バックジップの改良版がビクトリーでは最先端であった。
スペースパット搭載のバックジップ。
肩にジャバラ状のパットを取り付け、パドルをしやすくした。
それから時代は流れ、ノンジップ、ネックエントリー、ラウンドジップ、チェストジップ、Uジップと進化を遂げた。
俺も一通り作ってみたが、良い、悪いは着てみれば分かる。
自分は型紙師なので、やはり良いモノを勧めたい。
今のBGZラインナップは、自分がテストして勧められるものをカタログに掲載している。
結局50年前のバックジップが今でも人気なのは、それが理にかなっているから。
今はロングチェスト・ラウンドジップ・Uジップ等が最先端になっているが、その内どれが生き残るかは分からない。
一昔前に流行ったネックエントリー。
かなりブームとなった。
しかし今はほとんど見なくなった。
情報に流される事なく、サーフィンが楽しくなる板やウェットを選んでください。
自分が使って調子が良ければ、それがあなたのベストです。
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